研究テーマ
研究目的 Purpose of the study
本研究では、エジプトの小学校で導入・実施されている特別活動(Tokkatsu)の現地化の実態を調査し、個人と社会のウェルビーイングを支える要素ともいわれる非認知能力(生涯にわたって必要な学びに向かう力)に与える影響を明らかにする。加えて、エジプトの関係者と共同で、質保証を目的とするディプロマ・プログラムを作成することを通じ、国際的通用性と倫理性を備えたグローバル・スタンダードな日本型教育モデルを開発する。
This project will examine the status of localization of extracurricular activities (Tokkatsu) introduced and conducted in elementary schools in Egypt and clarify the effect on non-cognitive skills (the ability to learn the necessary skills throughout life), said to be an element that supports individual and social well-being. In addition, in collaboration with Egyptian educators, we will develop a global standard Japanese-style education model based on international universality and ethics, through the creation of a diploma program aimed at quality assurance.
プロジェクトA Tokkatsuディプロマの共同開発
プロジェクトリーダー:杉田 洋(國學院大學)
ディプロマ・プログラムの内容と実施体制について、エジプト科学技術大学およびカイロ大学の研究者と協議する。また、その協議プロセスそのものを研究対象として、実践者・研究者主体の互恵的・継続的に学び合う「草の根交流」モデルの構築に向けた手がかりを得る。
プロジェクトB 小学校における非認知能力育成の効果検証
プロジェクトリーダー:山田真紀(椙山女学園大学)
- 学級会の分析
学級会の場面およびその前後の子どもの姿から、非認知能力の発揮・獲得の場面を捉える。
音声データを文字起こしして、教育方法学の方法論に基づき授業分析を行う。特に合意形成の場面を可視化することで、非認知能力との関係を考察する。 - モスト・シグニフカント・チェンジ(MSC)による参加型評価
児童個人や集団の変化を捉えるため、特定の学級を追跡する。学校教員、保護者等を対象とするワークショップを開催し、児童の変化で最も大きい要素について議論する。
プロジェクトC 特別活動の現地化に関するインタビュー調査
プロジェクトリーダー:京免徹雄(筑波大学)
- エジプト日本学校と公立学校(パイオニア校)でのインタビュー調査
Tokkatsuに対する認識について教師・児童へのインタビューを行い、特別活動の内容と機能のうち、何が受け入れられており何が受け入れられていないか、受容の際にどのようなカスタマイズがなされているか明らかにする。 - Tokkatsuオフィサー研修・認証制度の調査
教育・技術教育省、研修協力機関、県教育事務所において研修の参与観察、受講者(TO)へのインタビューを行い、質保証制度としての成果と課題を明らかにする。
プロジェクトD カイロ日本人学校とエジプト日本学校との交流活動
プロジェクトリーダー:天野幸輔(名古屋学院大学)
カイロ日本人学校(CJS)とエジプト日本学校(EJS)との間で、小学校教師の交流会を実施する。Tokkatsuに対する理解を深めるとともに、合同の学校行事(学芸会や運動会)や保護者交流の可能性について議論する。一連のプロセスから、日本型教育の発展に向けた日本人学校と現地校との協力体制をモデル化する。
今後の計画
2023年度~2024年度(2年間)の計画
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2023年度(1年間)の計画
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